2014年2月4日火曜日

奈良の旅人エッセイ-4-

 友人からの箱根美術館の紅葉写真メールに刺激され奈良の寺社紅葉を見に出かけました。

 一番印象に残ったのは唐招提寺でした。
掃除の行き届いた境内、苔と紅葉の素晴らしい庭園景色に出会いました。
そして二月堂からの眺望景色。
緑と紅葉のパノラマ景色に東大寺大仏殿の屋根が溶け込んでいました。信長塀の細い参道にも雰囲気があり、人も多く最も憩っていたのがここ二月堂でもありました。
 線として奈良を味わってみようと思い、 歴史の道に沿って巨木ウォッチングを試みました。
奈良豆比古神社から春日大社にかけてですが、山裾に巨木が多いという情報を得たからです。注目すべきは奈良豆比古神社の大クスと春日大社のフジでした。どちらもその野性味に感激しました。春日大社にはご神木スギ、傾いた大ビャクシン、老大木のクスがありましたが、鷺原道沿いの表皮だけの大クスの生命力には驚きました。
 道中、たくさんの外人に出会いました。
どこを写すのか気をつけて見ていると、鹿、蓮華の水受け、塔の順でした。自国ではめったに見られないものを、という印象でした。
 浮見堂の紅葉を楽しんだあと、遅い昼食を「ならまち」でとりました。ガイドブックで評判の小さな店でしたがその通りの味ともてなしでした。「ならまち」には その名の通り奈良らしい小粋な店が並ぶ路地がたくさんあり、どこも旅人が行き交っていました。やはり「おばちゃん」が目に付きました。輝く顔に元気が貰え 「どうぞさらに先までそのお元気を」と祈らずにいられない心地になりました。これって、知らず気持ちが優しくなるという奈良効果とでもいえるのでしょうか。
 大手旅行会社を通じて確保した宿泊先は感心しませんでした。
スリッパ、タオル、湯飲みなどが到着時人数分揃えられていなかっただけでなく、湯飲みには前客のコーヒーの飲み残しがありました。
フロントの客用パソコンの故障を直してもらったあと巨木を検索していると「ロビーにいろいろパンフレットがありますから」と支配人風の方から煩わしそうに言われました。ないから調べているのに、と思いました。
連泊中、夕食は宿のレストランに予約してとりました。が、二日目にメインのおかずを忘れられ、催促しても時間がかかり、ほとんど終了後それだけ口に運ぶ事態になりました。「元気を出せ」と言いたくなりました。

 神奈川県在住 K.H.様 60代 男性